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湯谷川に架かった吊橋を、細いワイヤーの吊り鋼線にすがるように渡ってみた。「もしもこのワイヤーが切れたなら」と無用の心配をしながら渡り終えて、歩いた橋を振りかえる。世の中の橋のすべてが、頑丈な永久橋になったというのに、吊橋のワイヤーも敷板の面も昔ながらの姿で、両岸をつないでいる。
湯谷川の両岸の樹々と、橋下の水の色と、堰堤の先の小牧矢ヶ瀬から三角山の秋の色が、吊橋をいやが上にも美しく見せてくれる。
古道の先の二ツ屋には今では住む人もなくなって、この湯谷橋だけが取り残されてしまったが、険しい自然に耐えて生きてきた先人の記念碑である |
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